中取り壱号のテーマは “僕らの基”
もとい。土台。物事の基礎。根本。根拠。要因。
ぼくらの基。天明の始まりは、会津坂下町御池田地区の契約栽培五百万石でした。天明創成期より我々を支えてくれているお米です。先代のスタートの酒、一生青春吟醸が生まれたのは1997年。天明の原型、月のうさぎが生まれたのは1998年。そして天明初リリース、純米本生が生まれたのは1999年。必ず一緒にいてくれたお米は、会津坂下町御池田産五百万石です。正に“僕らの基となるお米が五百万石。1993年祖父が突然亡くなり、自分達で醸すという選択。祖母、父、母、子、そして共に歩んでくれた蔵人達、そして特約店の皆さん、飲み手の皆さんとつむいできた約30年のストーリー、これから幾重にも続く新しいストーリー。感謝と希望が詰まった壱号になります。
中取り壱号の味コンセプト
“スタンダード天明”に現体制エッセンスの透明感を加えていく作業、当たり前のことをしっかりこなし、造る僕らが自由に楽しんで造る。確実に過去の自分達を超えていく酒造り。
若いグレープフルーツ系フレッシュな立香、そこに青いけれど濃密な林檎を加えた豊かで鮮やかな含み香。新酒らしく心地いい爽やかにはじける苦み。旨味と程よい甘み、天明らしい酸味でバランスを取る。そんな感想と意識でブレンドをいたしました。
なぜ山田錦を入れたのか?天明シリーズも、立ち上げから約23年。
震災の後、現体制の造りになってから12年目の酒造り。こっそり、現体制の造りが長く携わっていることになっています。これからの積み重ねはこのように考えています。歩んできた個性の道を捨てることなく大切にしながら、今まで以上に最高に旨い酒を提供し続ける。そのようなことを想うと、糖分を生み出し、発酵させる日本酒において、麹造り、麹のパワーがとても重要なのです。10年以上続けてきた結果、やはり麹造りに適したお米は山田錦なのだと思います。このことを以前より何となくはずっと感じていて、約7年前から会津産の山田錦を少しずつ増やし、ようやく、中取りシリーズに使えるくらいまでの収量を得ることができました。すべてを山田錦に替えるのではなく、ブレンド用原酒のうち数本の麹を替えることにより、ブレンド完了後の完成度を数段上げることが可能になりました。
詳細
使用米 会津産山田錦(R3年産) 会津産五百万石(R4年産)
精米歩合 麹50% 掛70%
使用酵母 協会1001酵母+うつくしま夢酵母F701+自社酵母
スペック: 日本酒度-1 酸度1.82 アルコール16度